Mechanical Watch
デジタル時計が限りなく進化する中で、機械式の時計は
消えつつある存在のように思われがちだ。しかし時計本来の性能は別にして
精密機械としての魅力、デザイン、歴史など、根強いファンがいるのも
これまた事実である。機械式時計を語ると、とにかく長くなる。
色んな分野があり、こんなページより詳しい所が山ほどあるので
ボクの使っている時計に関してのみ簡単に説明してみよう。
OMEGA Speedmaster Professional (1995年)
これがボクのメインマシン?のオメガ スピードマスター プロフェッショナルです。
Windows XPと違ってホームエディションは存在しない(笑)
少し時計に興味がある人ならムーンウォッチとしてご存じの事だろう。
こいつを買った時は例の「エアコン買ってくる」は使わずに、何を血迷ったか、かみさんに許可を得た(命知らず)
今、こうしてボクが生きているのは奇跡に近いと言う説もある・・
高級時計?の部類に入り、大切にしまっておきたい所だが日常、ほとんどこの時計をつけている。
寝るときも付けているし外すのは風呂に入る時だけだ。外すのを忘れて湯船につけた事も数回ある・・(T_T)
ボクの仕事は結構、過酷な環境だったりするが気にせず使っている。ゆえに全体、キズだらけだ。
風防のキズ補修は別ページに掲載しているので、そちらを参照されたい。
今までデジタル一辺倒の人生を送ってきたが、映画「APOLLO13」を観てこの時計(機械式時計)の魅力に
取り憑かれてしまった(爆)なんとも単純なきっかけで申し訳ないm(_ _)m)映画のパンフレット裏面が
この時計の全面広告だった。当時の販売元であるSMHジャパンの罠にまんまとかかってしまったという事になる。
さて上の写真は時計の裏側だ。次の刻印がしてある。
@ THE FIRST WATCH WORN ON THE MOON
A FLIGHT QUALIFIED BY NASA FOR ALL MANNED SPACE MISSIONS
ご存じの方も多いが初めて月面に降り立ったアームストロング船長らが宇宙服の上から
付けていた時計がこのスピードマスターだった。当然、このような金属ブレスレットでは
つけられないので布製の特注ベルト(マジックテープ付)で装着していた。
宇宙服に合うよう長さが設計されていたがクルーは船内でもこのベルトを腕に2周巻いて付けている。
NASAの行う宇宙計画での船外活動はスピードマスターの着用が義務づけられている。
アポロ計画当時は機械式時計が主流だったのでわかる気がするが現在のスペースシャトル計画でも
船外活動時のスピードマスター着用義務は変わっていないのだ。
しかし現在の宇宙船(シャトル)内は地上に近い環境が確保されているので付ける時計の制限はない。
G-SHOCKだろうがミッキーマウスのキャラクターウォッチだろうがOKなのだ。
細かい事を言うと、ボクの持っているスピードマスターとアームストロング船長が
付けていたスピードマスターは同じではない。
外見は殆ど同じだが、中身(ムーブメント)が違うのである。
月面で時を刻んだムーブメントは Cal.321 (キャリバー321と読む)でオメガ社とレマニア社が1942年に協同で開発した
27 CHRO C12 が原型になっている。ボクのムーブメントは Cal.861 で、より高い精度を
持たせるため321が高振動化され(18000振動から26000振動へ変更)部品の点数が合理的に減らされている。
このCal.861を搭載したのが1968年でマイナーチェンジを受けながら現行モデルまで続いている。
書き忘れたがこのムーブメントは手巻きで、いっぱいに巻いても2日間しか動かない。
面倒とも思えるが風呂に入る前、外した時に巻くクセがついているのでリザーブアウトで止まることは
殆どない。仕事で頻繁にクロノグラフ(ストップウォッチ)機能を使うが短い時間の計測が多いので
月に1度は24時間クロノを作動させる事にしている。内部の歯車に油を回すためである。
話は変わるが、この時計を見た人(時計に興味のない人)の第一声で一番多いのは
何だと思うだろうか?
「高そうだ」 「かっこいい」 「重そうだ」 ・・・違うんですわ。
「この時計、止まってるじゃん!(笑)」
この手の時計をしている人はまず経験していると思うが
多くの人にはクロノグラフ(ストップウォッチ)の秒針が時計の秒針に
見えるらしい。左のインダイヤル(小さいヤツ)が時計の秒針なのだが
小さいがために動いてはいるものの、これが時計の秒針だと気が付く人は少ない。
断続的にクロノグラフは作動させていないのでクロノ秒針は当然止まっている事が多い。
自慢の装備なのだが実際は笑い物になる事もしばしばである・・(T_T)